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2005年 02月 20日
少し前に、書店で並んでいるのを見かけて、気になっていたこの本をやっと読んだ。
若年性アルツハイマー、人ごとにしか感じられないこの病気に突然襲われた恐怖が描かれている。忘れることを恐れ、周りに気づかれることも恐れ、ひたすらメモを取り、分厚い紙たばをポケットにしのばせる。「博士の愛した数式」の博士と重なる。記憶を失うというのは本当に個人1人に襲ってくる、誰ともわかちあえない怖さなのだろうなあ。それをリアルに感じさせた。 最後の老人と野焼きをするシーンは、切ないけれど、至福の一コマ。「頭は記憶を失っても、体には記憶が残っている。」「私自身が私を忘れても、まだ生命が残っている」、そう思えた主人公のように、失うことにおびえるばかりでなく、最後に静かに肯定できたらいいよなあ、と思う。 どうでもいいことは忘れちゃってもいい。でも、体に染み付くような、確かな、自分だけの記憶を、持ち続けられたら。名前や顔を忘れられても、微笑んでもらえる、主人公の妻のような存在がいたら。そして自分もそんな存在になれたら。 そんな、恐怖を味わいつつも、やさしい気持ちになれる本でした。
by hrnhnk
| 2005-02-20 18:20
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