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2005年 03月 20日
芥川賞をとった作品で、「なんとなく癖がありそうかな」と思いながらも初めてこの人の本を読んだ。
ロリコンで、危ない主人公なので、完全に感情移入ができたわけではないし、許されてはいけない人物なんだと思う。それでも、私は、すごいスピードで読み進めながら、がーんと心が動く瞬間がいくつかあって、作者の持っている人を見る深さを感じた。 私ががーんとなった部分。1つは、自分の子どもに、法的にも会うことが許されず、遠くからバースデーで外に出る瞬間をひたすら待つシーン。自業自得、ではあるかもしれない。それでも、人と人が生きていながら会うことが許されなくなってしまう、それを裁判などで人が決定する、というからくりには、死刑の問題と同様の、人が判断できる範疇を越えてしまっている恐さを感じた。そして、一生を、誰か一番大切と思ってきた人と会わずに生きていかなければならない、その状況の辛さがずしりときた。 もう1つは少女たちが演じることになる「勿忘草」のストーリーに作者が感じたこと、それが妙に私が最近、思っていたことを言い当てていた。相手が死ぬ前に残した願いは、残されたほうは一生抱えていかざるを得ない。 「応えたくとも応えられない人だって世の中にはたくさんいるのだ。絶えず変化してやまない現実の中にいて、さまざまな欲望を抱える一個の人間として人生を送っている以上、心情の揺らぎやある程度の変節はどうしたって避けがたい・・・・実際にそんなふうになって、誰かが傷つくようなことになったとしても、悲しみの感情を何か別の良からぬものに変えてしまってはならない・・・」相手が生きてようが死んでまいが、最後の願いを、抱え続けてずっと残りの長い人生を生きていけるのか。最後に願いなんて残しちゃいけなかったのか、自分の問題としても考えさせられた。
by hrnhnk
| 2005-03-20 17:36
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