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2005年 04月 03日
「深夜特急」に、学生時代、ずいぶん影響を受けた私。大好きな去年創刊された雑誌「coyote」の企画で、沢木耕太郎さんのトークショーに参加。coyoteの編集長の新井さんという方も見てみたかったし。
大反省でもあるのだけれど、今回の講演のテーマであるボクサーのカシアス内藤さん、写真家の内藤利朗さんに関しては、まったく知らないまま出かけてしまった。25年前の「一瞬の夏」、そして、癌に侵されながら、沢木さんの支援もあってボクシングジム運営に励む、今のカシアス内藤さん。写真のスライドショーで、あまりに美しい筋肉で闘う姿から、戦いに負けながらもその後の人生を送る、彼の半生が映されていて、なんだか心にずしりときた。一人の人生。年月に人は抗えない、今は今しかないんだなあ、そして、その積み重ねが人生なんだ、と当たり前のことではあるけれど、そんなことを思って、すごく身にしみた。20数年後のことなんてもちろん予想もせず、ひたむきに向かう若いカシアス内藤さんが、ほんとうに痛々しいほど輝いていた。 カシアスさん本人がトークショーで写真の持つ力について語っていたのが印象に残った。ビデオと違って、写真は場面場面が切り取られているけれども、その裏や前後、その場の心理が、1枚ずつからずしりと思い起こさせることが可能である、といったこと。写真家の内藤利朗さんが、自分の写真家人生にとっても、一番輝いていたのが、このカシアスさんをソウルで追った日々であった、と語っていた。自分がやってきたことをふりかえって、そう思える瞬間があった人生は美しい気がする。 もう1つとても印象に残ったのは、沢木さんが何気なく言ったコメント。 内藤さんがカシアスさんをひたすら撮影したのは仕事ではなく、仕事がなかったこともあって、報酬目立てではなく、単に本能で撮り続けたそう。沢木さんが1年をかけてカシアスさんを追いかけて「一瞬の夏」を書いたのも、そうそうできることではなく、あれだけ時間をかけてできたものはその後にはない、と。「深夜特急」も、あとから作品になったものの、あの旅は仕事としてやったわけではなかった。要は、人生で、そう時間をかけて何か、直接仕事に関係ないことに打ち込める機会は、そう何度もなくって、それは最高の贅沢であること。ただ、内藤さんも沢木さんも、結果的には、時間をかけて仕事のためでないことに時間を費やして、それが仕事になった、それを天からのプレゼントだ、と沢木さんは表現していた。 仕事以前に、1人の人間として、生きること。カシアスさんを追った記録が語る20数年と、沢木さんの言葉に、なんだかちゃんと、自分を肯定してもいいのかな、と思えた。力をもらえたいい講演だった。終わった後、サインももらっちゃいました。緊張して、沢木さんとはたいして話ができなかったけれど・・・・。ばっちり握手はできました(ミーハー・・・)。ああいう場面で気の利いた一言が言えたらいいなあ。 私の想像以上に、沢木さんは、一言多い感じのおしゃべりで、おもしろくて飾らない人、という印象。写真家の内藤さんもとても気になる存在になって、カシアス内藤さんにも興味を持って、一気に何かが広がる感じがあって、参加してよかったなあ。こういう機会、せっかく東京にいるのだから、もっともっと見逃さずに利用したいなあ、と思った。
by hrnhnk
| 2005-04-03 00:12
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