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2005年 04月 19日
久しぶりに、号泣してしまう小説に出会った。もともと私が弱い領域なのだけれどね。
あてもなく、それでも信じて待ち続けること、ときがたっても変わらないものがあるということ、周りの時間とは違う流れで生きていくことだってできるということ、そんなことを思ってしんみりきた。 とても痛かった部分。それは、やっと会えた花梨が、理由も話さずに「ぼく」から離れることを告げた場面での、「ぼく」の覚悟。 だだをこね、自分の欲求だけを押し付ける子供のように振舞いたいなら話は別だ。それなら100だって言いたいことはある。でも、それはあまりに無責任な行為だし、誠実さをひどく欠いている。傷つく人間がいるし、傷つける原因となった人間もまた傷つくのだ。感情のままに行動することが許される子供時代はとっくの昔に終わっていた。そう。大人であるとはそういうことなのかもしれない。それでも、後悔するよりも、ちゃんと伝えた上で、可能性が少なくとも自分の信じる思いをずっと抱える道を選んだ「ぼく」。それが読んでてうれしかった。 離れていても、言葉を交わすことができなくても、同じ空の下でぼくの愛する女性が故郷の夢を見ながら眠っている。しかも彼女もぼくのことを愛しているということをぼくは知っている。それが幸せでなくて何と言うのだ?最後はメルヘンチックではあったものの、希望に満ちていて、いい読後感。小説は人を救う力がある。そう信じられる一作。大崎善生の「別れの後の最後の午後」の世界を思い出させた。
by hrnhnk
| 2005-04-19 00:11
| ☆BOOK★
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