カテゴリ
全体 ☆MOUNTAIN★ ★ABROAD☆ ☆BOOK★ ★MOVIE☆ ☆FAVORITES★ ★PLACE TO GO☆ ☆STUDY★ ★LIVING☆ ☆GOURMET★ ★PREPARATION☆ ☆OTHERS★ 以前の記事
最新のトラックバック
タグ
お気に入りなど
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 06月 18日
先日、「私という運命について」を読み、この人の作品にもう少し触れてみたくなり、前から立ち読みレベルで気になっていた(タイトルに惹かれていた)この本をちゃんと読んでみた。
鋭すぎて、偏った部分を感じてしまう、主人公の生き方に、最初は戸惑いがあって、親近感を覚えにくかったけれど、読み進めるうちに、不器用さの奥にある、人生に対する真剣な思いとか、大切にすべきものが見えてきて、だんだん共感を覚えた。人によっては受け付けにくいまま終わってしまう可能性もある、好みが分かれる本のような気がした。 印象に残ったことば。 ”ほんとうに居場所が欲しかったら、求めたり探したりするのをやめて、あなたみたいに彷徨いつづけるのをやめて、まず足を止めて、あなたがうんざりしているここ、このここに、自分で自分の居場所を作るしかないのよ。・・・ただ、あなたと一緒に居られる場所を二人で作っていきたいって思っただけ。”恋人枝里子の言葉。 そして、主人公の思考の根底にある”ただ一つ、自分が幸福になる道は、自分自身よりも他の存在を愛することだと。” どこかで、自分も知っている。海外であちこち旅したり、落ち着かず場所を追い求めていながらも、本当はもっととても身近なところに大切なものはあるということ。そして、それを知りすぎてしまって、でも手に入れられなかったから、こうして代替にはならないと分かりながらも、知らない世界を追い求めることで、何かを手に入れようと必死でもがいている自分の、ある種の愚かさを。そうしないわけにはいかないから、しょうがないのだけれどね。 だから、この主人公の最後の台詞、”枝里子とこのままずっと一緒にいることも、今夜からもう二度と会わなくなることも、僕にとってはやはり大差ないことなのだろう”、変な強がりとかひねくれではなく、その深く意味するところが、分かってしまった。そう、究極は変わらない。ただ、どこまで突き詰めるか、なのだと思う。難しいけれど、考えさせられた。
by hrnhnk
| 2005-06-18 23:27
| ☆BOOK★
|
ファン申請 |
||